AudioSnapトランジェントマーカーでグローバルツールを使用する

AudioSnapの中心となるのはトランジェントマーカーです。プロジェクトの全オーディオクリップのトランジェントが自動で検出されます。トランジェントマーカーは、選択ツール、移動ツール、タイミングツール、分割ツール、フリーハンドツール、消去ツールおよびミュートツールでも編集できますが、この章では最も簡単な編集方法であるスマートツールについて説明します。

オーディオトランジェントマーカーを編集するには、トラックの編集フィルターをオーディオトランジェントに割り当てる必要があります（編集するデータの種類の選択を参照）。

AudioSnapトランジェントマーカーでの様々なツールの使用の詳細については、以下のトピックを参照してください。

AudioSnapのトランジェントでスマートツールを使用する

AudioSnapのトランジェントで選択ツールを使用する

AudioSnapのトランジェントで移動ツールを使用する

AudioSnapのトランジェントでタイミングツールを使用する

AudioSnapのトランジェントで分割ツールを使用する

AudioSnapのトランジェントでフリーハンドツールを使用する

AudioSnapのトランジェントで消去ツールを使用する

AudioSnapのトランジェントでミュートツールを使用する

スマートツールを有効にする

1.	コントロールバーでスマートツール を選択します。

2.	目的のトラックの編集フィルターコントロールをオーディオトランジェントに設定します。

すべてのオーディオクリップにトランジェントマーカーとAudioSnapパレットが表示されます。

メモ：トランジェントマーカーを表示しただけで、AudioSnapが有効になるわけではありません。AudioSnapがクリップに対してアクティブになるのは、1つ以上のトランジェントマーカーがストレッチされている場合だけです。

編集フィルターで別のデータの種類を選択すると、トランジェントマーカーは表示されなくなり、AudioSnapパレットが閉じます。

トランジェントマーカーやクリップを操作する場合のスマートツールの動作を次の表にまとめます。

表 125. スマートツールの動作

動作	トランジェントマーカー上	クリップ上
クリック	トランジェントマーカーを選択します。	クリップを選択し、AudioSnapパレットを開きます。
右クリック	トランジェントマーカーのコンテキストメニューを開きます。	AudioSnapのコンテキストメニューを開きます。
ダブルクリック	ユーザーがクリックしているトランジェントの特定の時間枠に含まれる（選択したクリップの）他のトラックからトランジェントを選択します。選択されているクリップがないときは、非表示になっていないトラックだけに作用します。	--
ドラッグ	選択したトランジェントで比例的でないストレッチを行います。 メモ：マーカーの頭（上端）または線からドラッグできます。線をドラッグするとマーカーがストレッチされ、頭（上端）をドラッグするとマーカーが移動します。	トランジェントマーカーを領域選択します。
Ctrlキーを押したままドラッグ	選択したトランジェントを比例的にストレッチします。	トランジェントを領域選択して現在の選択に追加します。
Ctrlキーを押したままクリック	トランジェントマーカーを現在の選択に追加します。	--
Ctrlキーを押したままダブルクリック	ダブルクリックと同様ですが、トランジェントを現在の選択に追加します。	--
CtrlキーとShiftキーを押したままダブルクリック	ダブルクリックと同様ですが、選択したトランジェントの範囲を拡張します。	--
Altキーを押したままクリック	--	新しいトランジェントマーカーを挿入します。手動で挿入した場合は、自動的に検出されたトランジェントマーカーよりやや短いトランジェントマーカーになります。

図293. AudioSnapのトランジェント上のスマートツールのホットスポット

 

表 126. AudioSnapのトランジェントクリップでスマートツールを使用する 

ホットスポット	デフォルトの動作	ダブルクリック	+Alt	+Ctrl
A	トランジェントマーカーのラインをドラッグし、選択したトランジェントを比例的でなくストレッチ	他のトラックの隣接するトランジェントマーカーをすべて選択		トランジェントマーカーのラインをドラッグし、選択したトランジェントを比例的にストレッチ
B	トランジェントマーカーのハンドル（四角）をドラッグし、トランジェントマーカーを移動（ストレッチしない）
C	トランジェントを領域指定して選択		新しいトランジェントマーカーを挿入
D	複数のクリップやトラックのトランジェントを領域指定して選択

トランジェントマーカーの編集の詳細については、トランジェントマーカーを編集するを参照してください。

トランジェントマーカーのコンテキストメニュー

トランジェントマーカーのコンテキストメニューから、タイムストレッチやテンポマッピングに関するコマンドにすばやくアクセスできます。トランジェントマーカーを右クリックすると次のようなメニューコマンドが使用できます。

マーカーの選択：特定の条件に一致するトランジェントマーカーを選択できます。

クリップからプロジェクトテンポを抽出：クリップのテンポマップがプロジェクトのグローバルなテンポマップにコピーされます。これによって、プロジェクトの小節線をオーディオクリップに揃えられます。プロジェクトのテンポマップがクリップから生成されるたびに、クリップの位置をロックプロパティが自動的に有効になります。

プロジェクトからクリップテンポを抽出：プロジェクトのテンポマップがクリップのテンポマップにコピーされます。これによって、プロジェクトの小節線をオーディオクリップに揃えられます。

プロジェクトテンポに従う：クリップが、強制的にプロジェクトのグローバルなテンポマップに従います。

メモ：プロジェクトテンポに従うコマンドが作用するのは、小節/音符単位を使用するように設定されているクリップだけです（タイムにロックプロパティはクリップインスペクタで小節/音符単位に設定されています）。

クリップテンポマップの編集：各オーディオクリップには内部テンポマップがあります。クリップのテンポマップを編集するためのコントロールをこのコマンドで表示できます。詳細については、クリップのテンポマップを編集するを参照してください。

選択マーカーのマージ、ロック：選択したすべてのトラックのトランジェントマーカーをすべて結合し、選択したすべてのトラックで同じトランジェントマーカーが共有されるようにします。また、クリップの位置もロックされます。これによって、クリップを複数のトラックにわたってクォンタイズしたり、移動したりした場合にも、確実にフェーズ関係が保持されるようになります。スマートツールを使ってトランジェントマーカーをドラッグする場合、すべてのトランジェントマーカーは、選択したクリップの時間内でまったく同じ位置に保たれたまま、グループとして一緒に移動します。

グルーブライブラリに保存：グルーブの定義ダイアログを開き、グルーブをファイルに保存できます。グルーブは、その他のAudioSnap がオンになっているクリップまたはMIDI クリップに適用されます。

MIDI ノートに変換：選択したオーディオをMIDIクリップとして保存します。このMIDIクリップはクリップボードからMIDIトラックに貼り付けられます。オプションボタンをクリックすると開くAudioSnapオプションダイアログで、オーディオクリップのトランジェントの変換先となるMIDIノートを選びます。

クォンタイズ：クォンタイズダイアログが表示され、トランジェントマーカーをプロジェクトの拍にクォンタイズすることができます。

グルーブクォンタイズ：グルーブクォンタイズダイアログが開き、トランジェントマーカーをグルーブパターンにクォンタイズすることができます。

展開されたマーカー > 小節:拍:ティックをマーカーとして展開する：展開されたマーカーにトラックビュータイムルーラを追加できます（展開されたマーカーを使用するを参照）。現在のスナップ分解能を、トランジェントマーカーと同じように展開することができます。これは、基本的なガイドとして使ったり、抽出されたグルーブに小節/音符単位を追加したりするのに便利です。コントロールバーのスナップモジュールで、展開されたマーカーに追加したい分解能に小節/音符単位の値を設定します。

展開されたマーカー > クリップをマーカーとして展開する：クリップのトランジェントマーカーを展開されたマーカーへ追加、または展開されたマーカーから削除します。マーカーを展開されたマーカーに追加するときは表示されている必要はありません。詳細については、展開されたマーカーを使用するを参照してください。

 

展開されたマーカー > 展開されたマーカーを表示する：このコマンドは、展開されているマーカーを表示または非表示にします。。

展開されたマーカー > 展開されたマーカー位置にマーカー挿入：展開されたマーカーに対応する新しいトランジェントマーカーを挿入します。

展開されたマーカー > 展開されたマーカーにクォンタイズ：選択したクリップを展開されたマーカーにクォンタイズします。

AudioSnapを有効にする：選択されているオーディオクリップのAudioSnapの有効と無効を切り替えます。

クリップインスペクタのAudioSnapセクション

AudioSnapパレットに加えて、クリップインスペクタでクリップのAudioSnap設定を編集することもできます。詳細については、プロパティインスペクタ > クリップのプロパティを参照してください。

図294. クリップインスペクタのAudioSnapセクション

 

関連項目：

トランジェントマーカーを編集する

AudioSnapパレットを使用する

オーディオクリップのタイミングを修正する

オーディオとプロジェクトのテンポを同期させる

オーディオからMIDIのタイミング情報を抽出する

一般的な編集

展開されたマーカーを使用する

アルゴリズムとレンダリング