オーディオの録音

オーディオを録音する前には、入力レベルのチェックを行う必要があります。レベルが低すぎると、音がヒスノイズやその他のノイズに埋もれてしまったり、逆にレベルが高すぎると、録音した音が不正確になったり歪んでしまったりするので、注意が必要です。オーディオレベルをチェックするには、トラックビュー、トラックインスペクタ、またはコンソールビューのレベルメーターを使います。入力レベルを調節する場合は、お使いのサウンドカードに付属のソフトウェアミキサープログラム（あるいはWindows 7のミキサー）、あるいはオーディオデバイスの入力ボリュームを使用します。

レベルメーターは、入力されている信号のレベルをdB（デシベル）で表示します。レベルメーターは、‑90 dB（消音）から0 dB（最大）までのレベルを表示できます。SONARのメーターは様々な方法で表示を変えることができます。詳細については、レベルメーターを参照してください。ダイナミックレンジを確保するため、クリッピングしない範囲で、なるべく大きなレベルになるように調節します。

オーディオのレベルが最大値（0 dB）を越えると、オーディオの情報の一部が失われます。これは過大入力と言われる問題です。多くのサウンドカードは、過大入力された信号をクリップ（最大値まで押さえ込むこと）させますが、これによって歪んだ音に変化してしまいます。従って、メーターのレベルが最大値（0dB）を越えないようにしてください。

メモ：SONARはデジタルレコーダのため、0 dBは最大値を意味します。0 dBに達するとデジタルディストーションが発生します。アナログ機器のようにコンプレッションがかかったり、独特の暖かみを出すといったことはありません。DATや他の機器から録音するときは、機器の出力レベルとサウンドカードの入力レベルを正しく調整し、機器上での0dBが、SONARでも確実に0dBになるようにしてください。

入力レベルの確認方法

1.	トラックビューで、録音するトラックを録音待機状態にします。レベルメーターの範囲は、初期設定では0 dBから-60 dBまでになっています。このレンジを変更するには、レベルメーターの上で右クリックし、新しいレンジを選びます。

2.	いつもよりも少し強めに演奏してみましょう。

3.	演奏に合わせて録音レベルメーターが反応します。0dBを超えないように、なるべく大きなレベルになるように調整します。レベルが0dBを超えると、クリップインジケーター（レベルメーター最上部の赤いインジケーター）が点灯したままになります。アタックの強い音では、アタックの部分に非常に強い成分が含まれているため、クリッピングが発生しやくなります。レベルの確認ではなるべく様々な奏法で確認した方がよいでしょう。

メモ：クリッピングインジケーターをクリックすると、インジケーターは消灯します。

サンプリングレートの設定と入力レベルが設定できたら、録音の準備は完了です。録音レベルメーターが動かない場合は、お使いのサウンドカードに付属のソフトウェアのミキサープログラムをチェックし、録音に使用できる適切なソースかどうかを確認してください。

オーディオを録音する場合、SONARはオーディオのクリップを、別々のファイルとして保管します。このファイルは一般的なWAV形式（*.wav）ですが、特殊な名前がつけられて、専用のフォルダで保管されます。SONARは、これらのオーディオファイルを自動的に管理し、プロジェクトの操作が簡単にできるようにします。これらのファイルを直接操作する場合や、SONARのオーディオデータの管理方法については、システムコンフィギュレーションを参照してください。

オーディオの録音方法

1.	録音するトラックを選択します。

2.	トラックを録音待機状態にします。そのトラックのクリップ表示部が赤みを帯びた色に変化します。

3.	現在タイムを、録音開始タイムに移動させます。

4.	をクリックするか、Rキーを押します。メトロノームのカウントインを設定している場合は、カウントインが始まります。

5.	演奏を始めます。クリップ表示部に、新しく録音されたデータを含むクリップが表示されていきます。このオプションがオフの場合は、録音された区間が赤く表示されます。

6.	録音を停止するには、 をクリックするか、Spaceキーを押します。

SONARのクリップ表示部に、録音したデータがクリップとして表示されます。試聴する場合は、現在タイムをそのクリップの開始点に設定し、Spaceキーを押すか、 をクリックします。試聴してみて気に入らなかったら、編集 > 元に戻すを実行して、録音したデータを破棄することができます。

録音結果がトラックビューに表示されないときは、オーディオの入力デバイスかトラックの設定に問題があると考えられます。詳細については、トラブルシューティングを参照してください。

重要：ハードディスクに、録音を完了させるための充分な空き容量があることを確認してください。録音の途中でハードディスクの空き容量がなくなると、予期せぬ結果になります。