オーディオクリップ

デジタルオーディオの基礎知識の章の最初から読んでいる方なら、SONARのオーディオクリップには何が含まれているのか、おわかりになるでしょう。1つのオーディオクリップには、波形の振幅を表している、一連の数、あるいはサンプルの羅列が含まれています。オーディオクリップというものは非常に大きく、数100キロバイトから、数メガバイトになることもあります。これに比べて、MIDIクリップは数バイトしか必要ありません。

トラックビューでは、非常に細かくオーディオの波形をみることができ、個々のサンプルが見えるようになるまで、拡大表示することができます。

オーディオデータを編集する時、注意しておかなければならない点がいくつかあります。まずはじめに、オーディオクリップを分割したり、あるいはそれらを継ぎ合わせる場合、ポンというノイズが入ったりする原因となる振幅の急激な変化を避けるために、波形が0で交差しているところで、それらの操作を行ったほうが良いでしょう。また、クリッピングにも注意しなければなりません。オーディオ波形のクリッピングは、録音レベルを大きくとって信号を録音したり、波形の幅を大きくするようなオーディオ処理やエフェクトをかけたときに起こります。偶然に波形がクリッピングしてしまった場合には、編集 > 元に戻すコマンドを使い、違うパラメーターに調整しなおしたほうが良いでしょう。

クリッピングは他の状況で起こることもあります。たとえば、音の大きないくつかのオーディオトラックをミックスして演奏するような場合、信号の強さの総計が量子化ビット数の限界を超えてしまい、出力信号が歪んでしまいます。この問題を解決するためには、オーディオクリップのベロシティパラメーターを下げたり、トラックビュー、コンソールビューでトラックボリュームを下げると良いでしょう。

 

関連項目：

デジタルオーディオの基礎知識