クリップの移動とコピー

クリップの移動とコピーには、ドラッグ＆ドロップする方法と、切り取り、コピー、貼り付けの各コマンドを使用する方法があります。既存のデータがあるトラックにこれらの方法でクリップの移動やコピーを行う場合、編集するクリップと既存のデータの取り扱いを指定することができます。

以下のオプションから選択してください。

表 54.  

オプション	動作
新旧データをブレンド	コピーあるいは移動するイベントを、移動先の既存のイベントに重ねて配置します。これはリアルタイム録音におけるサウンドオンサウンドと同じような結果となります。
旧データを新データに置換	移動先の既存のイベントを削除してから、新しいイベントを別クリップとして配置します。これはリアルタイムレコーディングにおける上書き録音と同じような結果となります。
既存のデータをスライドしてスペースを空ける	移動先の既存のイベントを後ろへ動かし、空白を作ってから、新しいイベントを別クリップとして配置します。このとき小節で揃えるチェックボックスをチェックすると、スライドされるイベントやクリップの移動距離が小節の整数倍に合わせ込まれます。小節で揃えるのチェックボックスのチェックを外すと、新しいクリップの直後に既存のイベントやクリップが配置されます。

編集 > 条件を指定して貼り付けコマンドを使用すると、既存のデータに対して行う処理の選択時に、さらに次のようなオプションを選択することができます。

表 55.  

オプション	内容
新規のクリップとして貼り付け	クリップボード内のイベントが新規のクリップとして作成され、貼り付けられます。
既存のクリップに貼り付け（MIDIのみ）	クリップボード内のイベントが既存のクリップ内に埋め込まれる形で貼り付けられます。この場合、貼り付けるクリップの長さの範囲内にあるクリップと結合される形で貼り付けられます。

新規トラックに貼り付ける場合は、上記オプションを指定する必要はありません。また新規トラックに貼り付けると、トラックプロパティが自動的に設定されます。

クリップをドラッグ＆ドロップ操作する場合

ドラッグ＆ドロップでクリップを操作するときも上記のオプションを指定できます。ドラッグ＆ドロップオプションダイアログの設定を毎回設定するか、または一度設定した内容を次回の操作時に使用し、設定のダイアログを表示しないようにするかを選択することができます。ドラッグ＆ドロップオプションダイアログを表示するには、トラックビューでオプションメニューをクリックし、ドラッグ＆ドロップオプションを選択します。

クリップ表示部の縁までドラッグすると、ドラッグしている方向に自動的に画面がスクロールします。

ドラッグ操作中に移動またはコピーを中断する場合にはEscキーを押すと操作が中断されます。

異なるプロジェクトからでも、クリップの移動やコピーをすることができます。

ドラッグ＆ドロップでクリップを移動する

1.	移動したいクリップを選択します。

2.	クリップの先頭を小節線などにあわせるときは、グリッドにスナップをオンにします（詳細はスナップ機能の設定を変更するおよびカーソル位置の表示/非表示を参照してください）。

3.	コントロールバーでスマートツール または移動ツール を選択します。

4.	マウスカーソルを選択したクリップにあわせます。

5.	マウスの左ボタンを押したままにします。すると選択したクリップの周りに長方形の枠が表示されます。

6.	コピーしたい位置までドラッグし、マウスの左ボタンを離します。

7.	ドラッグ＆ドロップオプションダイアログが表示された場合には必要に応じて各項目を設定し（編集 > 環境設定 > カスタマイズ > 編集 、またはクリップ表示部を右クリックして、ポップアップメニューからドラッグ＆ドロップオプションを選択）、OKをクリックします。

図129. ドラッグ＆ドロップオプションダイアログ

クリップの移動が完了します。

メモ：グルーブクリップでないオーディオクリップを、テンポの違う部分にドラッグすると、オーディオのテンポは変わらず、相対的に音楽的な長さ（小節：拍：ティックで表したときの長さ）が変わります。

切り取り、貼り付けコマンドでクリップを移動する

1.	移動したいクリップを選択します。

2.	編集 > 条件を指定して切り取りを実行して切り取りダイアログを開きます。

図130. 切り取りダイアログ

3.	必要に応じてその他の項目を設定しOKをクリックします。するとプロジェクトからクリップが切り取られ、クリップボード内に格納されます。

4.	貼り付け先のトラックをカレントトラックにします。

5.	貼り付けるタイムに現在タイムを移動します。

6.	編集 > 条件を指定して貼り付けコマンドを実行して、貼り付けダイアログを開きます。

図131. 貼り付けダイアログ

7.	必要に応じてその他の項目を設定しOKをクリックします。

クリップの移動が完了します。

特定の開始タイムやクリップの長さを選ぶ

1.	編集したいクリップを選択します。

2.	クリップインスペクタを開いて、プロパティセクションを選択します。

3.	形式欄で、新しい開始タイムや長さに使いたい単位を、ボタンをクリックして選びます。

小節：拍：ティック：特定の小節、拍、ティックでクリップが始まる/終わるようにしたいときにクリックします。

サンプル：クリップが特定のサンプルで始まる/終わるようにしたいときにクリックします。

時：分：秒：フレーム：クリップが特定の時、分、秒、フレームで始まる/終わるようにしたいときにクリックします。これはSMPTEタイムともいい、（相対時間とは違い）プロジェクト内の絶対時間に合わせてクリップを始めることができます。

秒：クリップを特定の秒で始まる/終わるようにしたいときにクリックします。

4.	開始および長さの欄に新しい開始タイムや長さを入力するには、値をキーボードから入力します。

5.	タイムにロック欄からオプションから1つ選んで、テンポを変更したときにクリップの開始タイムがどのようになるかをコントロールします。

小節：拍：クリップはプロジェクトの小節：拍の位置を保持し、プロジェクトの最初からの時刻（時：分：秒：フレーム）位置が移動します。

実時間：クリップが実時間に設定されている場合、時間（時：分：秒：フレーム）位置はそのままで、小節：拍：ティックの位置が移動します。

メモ：テンポを変えるとクリップの長さも変わる場合があります。オーディオクリップは実時間の長さを維持しますが、MIDIクリップの場合はタイムにロックフィールドの値に従います。

SONARがユーザーの選んだ値にクリップを調節します。

メモ：スナップオフセットフィールドはオーディオクリップのみに適用されます。スナップ時のオフセット量を、サンプル単位で指定します。スナップがオンのとき、通常はクリップの先端がグリッドに配置されますが、スナップオフセットを指定すると、クリップの任意の位置がグリッドに配置されるようにできます。たとえば、スナップの分解能が小節、スナップオフセットが5000のとき、クリップの先頭から5000サンプルのところが小節線に重なるようにスナップされます。

ドラッグ＆ドロップでクリップをコピーする

1.	コピーしたいクリップをクリックして選択します。

2.	必要に応じて、スナップをオンにします。

3.	コントロールバーでスマートツール を選択します。

4.	マウスカーソルを選択したクリップにあわせます。

5.	Ctrlキーを押しながら、マウスの左ボタンを押したままにします。すると選択したクリップの周りに長方形の枠が表示されます。

6.	移動したい位置に枠をドラッグし、マウスの左ボタンを離します。

7.	ドラッグ＆ドロップオプションダイアログが表示された場合には必要に応じて各項目を設定しOKをクリックします。

クリップのコピーが完了します。

コピー、貼り付けコマンドでクリップをコピーする

1.	コピーしたいクリップをクリックして選択します。

2.	編集 > 条件を指定してコピーを実行して、コピーダイアログを開きます。

3.	必要に応じてその他の項目を設定しOKをクリックします。クリップがクリップボードにコピーされます。

4.	貼り付け先のトラックをカレントトラックにします。

5.	現在タイムをクリップのコピー先の開始位置に合わせます。

6.	編集 > 条件を指定して貼り付けコマンドを実行して、貼り付けダイアログを開きます。

7.	必要に応じてその他の項目を設定しOKをクリックします。

クリップのコピーが完了します。

クリップの削除方法

1.	削除したいクリップを選択します。

2.	次のいずれかを実行します。

編集 > 削除コマンドを実行し、表示されたダイアログでOKをクリックします。

Deleteキーを押します。

クリップが削除されます。

 

関連項目：

クリップの分割と結合

クリップの一部を使って作業する

リンククリップの使用

カーソル位置の表示/非表示