強弱記号を追加する

強弱記号（ppやmf等）は、その音符をどのように演奏するかを演奏者に伝えます。強弱記号は、楽譜に必要な補足をするものです。音符だけでは音の高さと長さの情報しか持っていませんから、どれだけの大きさで、またどのくらいのなめらかさで演奏されるかの指示が伝わりません。いわゆる伝統的な強弱記号（ppp：ピアニッシッシモからfff：フォルティシッシモ）は、強弱の情報（MIDIの用語でのベロシティやボリューム）を伝えますが、強弱記号には、そのフレーズをレガートで演奏するのか、あるいはスタッカートで演奏するのかというような演奏上のニュアンスを指示することも求められます。結局のところ強弱記号は、そのフレーズをどう解釈すべきかという作曲者の指示や要求を演奏者に伝えるのに使われるわけです。このような場合、「with majesty（荘厳に）」や「abrasively（あらあらしく）」などの「言葉」と組み合わせて使った方がより演奏者の想像力に強く訴えることができるでしょう。

強弱記号はMIDIイベントを変更するものではなく、演奏のための情報を譜面の読み手に伝えるためのものです。

トラックがト音記号＋へ音記号の譜表に分かれているときは、強弱記号は、譜表の間（トレブル譜表の下）にしか置けません。

強弱記号の文字の後ろにハイフン（-）を1つ付けると、その記号から次の強弱記号の位置まで、自動的にハイフンが表示されます。

cresc.     -     -     -         ff

連続したハイフンを途中で終わらせたい場合は、終わらせたい位置にスペースだけを入力してください。

accel.           -     -     -

強弱記号は譜面ビューに斜体文字で表示されます。標準の機能的な記号は太文字で表示されます。

強弱記号の追加方法

1.	コントロールバーでフリーハンドツールを選択します。

2.	譜面ビューで、強弱記号ボタン をクリックします。

3.	マウスポインタを譜表上の最低音の下の部分に移動します。（正しい位置に移動するとマウスポインタの形状が鉛筆の形状に変化します。）

4.	クリックして挿入ボックスを表示します。

5.	強弱記号の文字を入力します。中断する場合にはEscキーを押します。

6.	Enterキーを押します。入力中にTabキーを押すか、Shiftキーを押しながらTabキーを押すと前後の強弱記号の位置に進んだり、戻ったりします。

これにより、譜表の下に新しい強弱記号が追加され、表示されます。

強弱記号の編集方法

1.	編集する強弱記号の位置で右クリックし、強弱記号のプロパティダイアログを表示します。

図514. 強弱記号のプロパティダイアログ

2.	強弱記号のタイムとテキストの項目を変更します。

3.	OKをクリックします。

編集された項目に従って強弱記号が表示されます。移動するような設定を行った場合には、表示される位置も移動します。またドローツールを使用し、強弱記号をクリックして直接文字を編集することもできます。