GRIT（サチュレーション）モジュール

GRITモジュールでは、つまみ1つで周波数のサチュレーション処理をスムーズに行い、真空管のもつ暖かみのあるサウンドをトラックに加えます。

GRITは、自然なニュアンスが欲しい場合に使います。ベースラインに厚みを持たせたい場合、ボーカルに倍音とゆらめきを加えたい場合、ドラムループに変化をつけたい場合などに役立ちます。

図459. GRIT（サチュレーション）モジュール

A： クリッピングLED B： GRITの有効/無効 C： GRIT

GRITモジュールには、次のコントロールがあります。

クリッピングLED： モジュールへの入力信号がクリッピングされているかどうかを示します。ミックスストリップ信号チェイン内でひずみが生じている場合、クリッピングLEDによってどこのモジュールでクリッピングが生じているかを特定することができます。

GRITの有効/ 無効 ： GRITモジュールの有効/ 無効を切り替えます。

GRIT： サチュレーションの量を調整します。サチュレーションの量を増やすと、ベースに力強さ、ボーカルにエッジを加えることができます。GRITつまみを調整して、暖かみのある真空管サウンドから現代的なアンプオーバードライブまで、さまざまなニュアンスを加えることができます。

テープサチュレーションとは

テープサチュレーションは、さまざま信号レベルの大音量の音を磁気テープに録音してそれを正確に再生しようとするときに、それによって入力信号が録音された信号と正比例しなくなる場合に発生します。再生をすると、テープは元の音にあったエネルギーよりも少ないエネルギーを再生するため、それがサチュレーションエフェクトとなります。これは、常に存在するテープヒスを打開するのに十分な音量の信号を録音しようとしたときに起こることがあります。

デジタルディストーションとは違い、アナログテープサチュレーションは適切な状況下において、とくにドラムに対して心地よい効果を付加します。テープサチュレーションが始まると、アナログテープ信号が圧縮されます。

テープサチュレーションは、繊細な非線形の歪み、圧縮、およびEQを加えます。それらは、トラックに荒々しさと低音を加えます。これらの効果はよく、「パンチ感」や「暖かみ」と認識されます。

 

関連項目：

ミックスストリップ（ArtistおよびHome Studioのみ）

ミックスストリップを使用する

ミックスストリップのコントロール

Curve EQモジュール

MAX（ボリュームマキシマイザー）モジュール

SPACE（リバーブ/アンビエンス）モジュール

SMOOTHER（de-esser / de-harsher）モジュール

GATER（ノイズの除去）モジュール

DEPTH（コーラス/ ステレオ形成）モジュール

PULSE（トレモロ）モジュール

SHAPER（トランジェントコントロール）モジュール