プロジェクトが開けない/ファイルの復旧モード

SONAR 5では、プロジェクトファイルを開くことができない問題を修正する、セーフモードという特別な診断モードが導入されました。セーフモードは、Shiftキーを押しながらファイルを開くと作動します。

まれに、プロジェクトファイルを開こうとしたときに次のようなエラーメッセージが表示されることがあります。

「このファイルはこのバージョンのSONARと互換性がありません。」

このメッセージは、SONARによってプロジェクトファイルにエラーが検出されたため、開くことができなかったことを意味します。これは通常、プロジェクトファイルのデータが破損されているということを知らせています。

DAWでのデータ破損は、さまざまな理由で発生する可能性があります。次に挙げるとおりです。

ハードディスク上でデータ損失が発生した可能性があります。

Windowsの遅延書き込みが失敗し、データ破損を引き起こした可能性があります。

多くのハードディスクでは、「ライトスルーキャッシュ」バッファで効率化を図っています。時々、ドライバエラーまたはシステムクラッシュのため、このライトスルーバッファがフラッシュされない場合があります。このような場合、データがハードドライブにフラッシュされないため、ファイルの破損が発生する場合があります（SONARは、ファイルの保存操作の後に、Windowsにバッファをフラッシュするように要求します）。

プラグインがSONARのメモリ内容を破壊し、プロジェクトの保存時に不正なデータがディスクに書き込まれた可能性があります。

ファイルの保存中にシステムがクラッシュした可能性があります。このような場合、ディスク上に不完全なファイルが残ります。

SONARのクラッシュ例外ダイアログによって「リカバリファイル」を保存します。SONARでクラッシュが発生した場合、このダイアログが開き、リカバリファイルの保存が試行されます。これは、ほとんどの場合成功しますが、時々メモリ破損によりSONARが不安定になっている場合があります。この状態でファイルを保存すると、クラッシュしたり、ファイルに不正データが保存される場合があります。

一般的に、これらのデータ破損のシナリオに対する最も確実な防止手段は、標準的な手法によってデータ損失が生じないようにすることです（定期的なバックアップする、自動保存/復帰用プロジェクトを使う、など）。しかし、重要なプロジェクトが開かなくなり、そのバックアップコピーもないという状況に直面する場合もあります。

SONARのファイルの復旧モードでは破損したプロジェクトファイルからデータを復旧することができます。

ファイルの復旧モードを使う

次のいずれかを実行します。

ファイル・メニューの最近使ったファイル一覧からファイルを開くには、ファイル名を選択しながらShiftキーを押さえます。

ファイルを開くダイアログから開く場合、ダイアログでファイルを選択し、Shiftキーを押さえながら開くボタンをクリックします。

ファイルの復旧モードの動作について

ファイルの復旧モードでは、プロジェクトファイルを開くときに次の動作が適用されます。

トラックビューのみが開き、他にプロジェクト内で開かれているエフェクトウィンドウ、コンソールビューなどのビューはすべてスキップされます。

プロジェクトに保存したプラグインを開くかどうかを尋ねるダイアログが表示されます。プラグインごとにダイアログが表示されるので、個別に選択することができます。

重要：プラグインを開かないことにした場合、そのプラグインはプロジェクトから除外されるので、ファイルを再保存するときは、そのプラグインの特定の設定がすべて失われます。

さまざまな厳密なエラーチェックが無視され、通常は読み込めないようなファイルも読み込まれます。

データ破損を検出し、不正と判断された「チャンク」がスキップされます。たとえば、トラックまたはイベントに不正データが検出された場合、SONARではそのトラックまたはイベントがスキップされ、次のトラックまたはイベントに進みます。

ほとんどの場合では、ファイルの復旧モードを使うと、わずかなデータ損失で破損したプロジェクトを開くことができます。しかし、復旧の程度はデータ破損の種類や重度に依存するので、結果は予期できるものではありません。したがって、破損したプロジェクトをファイルの復旧モードで開いた後、プロジェクト設定が保持されているかどうか、プロジェクトに他の問題があるかどうかを細かく確認する必要があります。問題に気づいた場合は、復旧されたファイルからデータをコピーして新規ファイルに貼り付け、また一からやり直してください。

重要：ファイルの復旧モードではファイルの読み込み中に多くの重要なエラーが無視されるため、ファイルに含まれる破損データの種類によってはファイルの復旧モードでファイルを開くときにSONARがクラッシュしたり、応答しなくなる場合があります。ファイルの復旧モードでファイルを開くことを試みる前に、現在の作業をすべて保存し、開いているプロジェクトを閉じてください。

ファイルの復旧モードでファイルを読み込んだ後は、作業を続ける前に、別名でファイルを保存し直し、SONARをシャットダウンしてから再起動することをお勧めします。

 

よくある質問も参照してください。