MIDI機器やシンセサイザーには数百または数千の音色が内蔵されているものもあります。これらの音色はパッチと呼ばれています。この名称は、初期のシンセサイザーが発振器の回路をケーブル(パッチコード)を使って結線して異なる音色を出すように設定しており、この作業をパッチと読んでいたことに由来しています。MIDI規格ではパッチの指定は0から127の128個までしかできません。そこで、128個のパッチを一組とした
バンクを使用し、バンクとパッチの両方を指定することで、128個を超える音色の中から目的のパッチを指定することができるようになっています。MIDI規格では最大16384個のバンクを使用することができますので、理論上は2097152個(128×16384)の音色を区別して使用することができることになります。コンソールビュー/トラックインスペクタのパッチ/バンクの設定は、プロジェクトの先頭におけるパッチ/バンクの設定を意味しています。プロジェクトの始めから再生するときには、これらのパッチ/バンクの設定がMIDI機器に送信されます。MIDI機器やシンセサイザーに内蔵されている音色には名前が付けられており、バンクとパッチの組み合わせでその音色が呼び出されるようになっています。SONARでは上記の名前の情報をインストゥルメント定義の中に記録しています。お使いのMIDI機器がGSまたはGMに対応している場合にはお使いの機器用のインストゥルメント定義が用意されていますので、それを使用することができます。
1つのMIDIチャンネルで同時に演奏できるパッチは1つだけです。このため複数のトラックで同じMIDIチャンネルが設定されていて、かつ、パッチが異なる場合、再生を開始したときには最もトラック番号の大きなトラックのパッチパラメータが優先されます。プロジェクトの途中で音色を変えたいことがあるかもしれません。このような場合は、挿入|バンク/パッチチェンジ・コマンドを使用します。プロジェクトを途中から再生するときは、自動的に最新のバンク/パッチチェンジが検索されます。コンソールビューおよびトラックインスペクタにはプロジェクトの先頭のバンク/パッチだけが表示されます。プロジェクトの途中に挿入されたバンク/パッチを見るにはイベントリストビューを使用します。詳細については、
イベントリストビューを参照してください。